前々から歩きかった熊野古道伊勢路の一部(木本から新鹿まで北向き)を歩いてきました。
約7.5㎞、4時間の行程で、2つの峠を越えることになります。最初に松本峠(標高135m)、続いて大吹峠(標高205m)となります。前者からの七里ガ浜の眺望は熊野古道伊勢路の中でも最も美しいもののひとつで、後者は竹林の中に位置する一風変わった峠でした。また途中の波田須の集落には鎌倉時代といわれる石畳があったり、「秦の始皇帝の命を受け、不老不死の仙薬を求めて大船団を率いて旅立った徐福が、この里へ上陸した」という話が伝わっています。
石畳は熊野古道の代表的風景になりますが、カコウ斑岩という堅いが加工しやすい岩石の性質をうまく利用した遺構と考えられます。ゴールの新鹿海岸では、60羽以上砂浜にたたずんでいたトンビが、上昇気流を見つけて一斉に飛び立つ光景は見事でした。なお熊野古道を歩く時の弁当は、めはり寿司が最高(熊野の高菜で包んだおにぎりで、食べたときにあまりの美味しさで目を見張ることから、そのような名前になったとか)。ただし紀勢本線で移動を考える場合、昼間の電車は2時間以上間隔があいていているので注意が必要です。
伊勢神宮と熊野三山を結ぶ伊勢路は全長170㎞。これからも時間を見つけて歩いていきたいと思います。
久田